学習の効率を上げたい!要領よく学びたい!そんなときに考えるべき、学習以前の大問題
学習がうまくいかないのはなぜ?
学校の成績を上げたい。資格を取りたい。英語を身につけたい。仕事のスキルを上げたい。
真面目に学習しているのに、わからない。身につかない。
苦手分野だから?
あの人はどんどん進んでいるのに、自分だけどうしてできないの?
どんどん置いていかれるから落ちこんで、やる気が失せてきた…。
そういう経験はありませんか?
わたしはあります。
学生時代は自己嫌悪で人をうらやんでばかりいました。
全方位の成績が悪かったわけではないのですが、苦手な科目がどうにも克服できなかった。
努力が足りないんだと自分を責めながら力技で勉強したり、要領さえよくなればいいんだと思い指南本を沢山読みました。
でも駄目でした。
やがて、どうやらわたしにはそれが無理なのだと悟りました。
わたしが本当にやるべきことは、要領がよくない人向けの学習法を手に入れることだったんです。
それに気づいたのは大人になってからでした。
よく考えたら簡単なことなんです。
農家さんが美味しいトマトを作るにも、植える前の土づくりが必須です。
合わない土に植えられても発芽しないか、貧弱なものになってしまいます。
要領のいい人は、適切な土を事前に用意しています。
わたしは栄養の偏った土しか持って居ないのに最初の土づくりをせず、やみくもに作物を植えることを繰り返していました。
長時間かけて真面目に沢山やること、わからなければひたすら暗記すること。
それ以外の学習法を知らずに。
土を分析して合う作物を選ぶなんていういう発想はどこにもなかった。
だから、要領よくサクサク身につかないことがあるなら、学習以前の問題に目を向けるのをオススメします。
学習以前に決めるべき2つのこと
わたしが考えるに、学習が成功するには5つの段階があります。
これは身につけたいスキルが高度なものでもそうでなくとも同じです。
自分にとっての難易度で達成スピードが違うだけ。
その段階を順に進むことが大事なのですが、最初を飛ばして学習を始めてしまう人がいます。わたしのように。
以下の図をごらんください。
このように、学習そのものをスタートする前にやっておくべきことがあります。
目標設定と学習方法の選択&決定です。
畑でいうところの作物決定と土づくりにあたります。事前にこれができていないと学習でつまづいてしまいがち。
植える作物によって適した土は違いますから、まず作物を決めないことには土づくりもやりようがありません。
適当な土に何となく選んだ作物を植え、育つ育たないを長期間観察してから適切なものを見つけるのは時間がかかりすぎます。
でも、自覚なくこういう状態になっている人はたくさんいます。
わたしのように要領のよくない人は、そんな方法でやっていたら人生が終わるまで身につきません。
時間を浪費しないためにも、目標設定と学習法の選択は重要です。
この2つを事前にやっておくことで、学習時の迷走を防ぐことができます。
目標設定
なんのためにその学習をするのかという目的や、そのために目標とするレベル。
まずはそれを決めるところからスタートです。
たとえば英語学習の場合。
「洋書が読めるようになりたい」
「ビジネス文書の読み書きができるようになりたい」
「旅行で困らない程度の日常会話を覚えたい」
「映画の台詞が聞き取れるようになりたい」
ではそれぞれ目指す方向が違います。
留学のための英語学習でも「米国の高校に1ヶ月の短期留学」と「米国の大学院で研究したい」ではレベルに違いがありますよね。
「ゆくゆくは全方位に上達したいけれど、今はまず洋書が読めるようになりたい。ハリーポッターを原書でスラスラ読めるのが目標」または「TOEFLで何点を取る」という具体的な目標設定をすることで、効率よい学習方法を検討することが可能になりますね。
ダイエットでも同じです。
「夏までの○ヶ月で5kg落としたい」
と具体的に目標を決めるのが大事です。
漠然と「痩せたい」と想像するだけでは実現しにくいですよね。
何事も具体的な目標を設定するのが大切です。
わくわくする未来のための学習と位置づけられれば、モチベーションも上がります。
学習法を決定
目標が決まるとすぐにでも学習を始めたくなりますが、ちょっと待ってください。
学習方法を検討するステップを忘れずに。
「ハリーポッターの原書を読みたい」からといって、英語の基礎も知らずいきなり原書を読み出してもすぐにつまづいてしまいます。
するとモチベーションが落ちて学習が進まなくなるかもしれません。
洋書を読むなら、まずは単語と文法の基礎が必要でしょう。
できればハリーポッターの原書のレベルがどれくらいなのかを調べてみます。
日本で有名な本であれば「読みこなすために英検○級以上はほしい」のように、何らかの情報があるかと思います。
難易度がわかったら、そのレベルを目指して学習することにします。
そのために、自分のレベルであれば何をどう勉強すればいいのかを考えます。
この場合は読解が目的なのでヒアリングやスピーキングは最優先にせず、読み書きを中心にします。
中学レベルの英語しか理解していないなら、おさらいで同じレベルからスタートするのもいいでしょう。
ネットなどで調べて、自分と目標に合う方法を見つけるのもいいですよ。
方針を決めたら書店で自分に合いそうなテキストを見て回ります。
じっくり考えて何冊か購入してもいいでしょう。
Amazonレビューなどのクチコミも参考になりますよ。
テキストに合わせて学習にちょうどいい問題集も手に入れます。
ここまでやって初めて学習へ進むことができます。
なお学習中の迷走を防ぐため、洋書を読みたいなら先に買って本棚のいつも見えるところへ並べておく手もあります。
目標がいつも見えているとモチベーションアップにつながりますし、学習が進むにつれ理解できる範囲が広がっていくのを実感できます。
留学なら行きたい大学の写真、何らかのスキルなら目指す成功者の写真など、達成イメージを見えるところに貼っておくのもオススメです。
学習態勢もチェックしよう
もうひとつ、忘れてはいけないのが自分の学習態勢を整えることです。
たいていは学習を始めてから気づくことですが、目標と学習法を決めても集中できないことは多々あります。
その原因は環境と自分自身に問題があるときです。
おかしいな、と思ったら立ち止まってチェックしましょう。
●環境
環境が悪いと集中の妨げになります。
騒音があるとか、デスクがないとか、そういう環境上の問題はなるべく早めに対処しましょう。
気づかずにいると、自分の能力が低いせいで…などと勘違いしてモチベーションが落ちることもあります。
集中できる環境づくりは大切です。
アイテム・場所・時間などを工夫して、自分にとって必須の環境をできる限り整えるようにしましょう。
●体調とメンタル
もうひとつは自分自身に問題があるとき。
サボり癖や、学習が習慣化できない、忙しくて時間がとりにくい、疲れがたまっている、心配ごとがある…
軽いものから深刻なものまで、集中できない理由は千差万別です。
どんなことであれ大切なのは、学習が進まない原因をまず認識することです。
学習に集中できるレベルまで体調とメンタルを整えること。
多忙で疲れがたまって学習時間がとりにくいだけなのに、自分にはこのスキルを学習する能力がない、などと勘違いしてモチベーションが下がってしまうのは避けるべきです。
そういう場合は、疲れを解消しつつ学習時間を捻出するのが最優先になります。
例えば通勤時間にも学習できる方法を見つけ、飲み会の回数を減らし、土日は休息と学習に使うと決め、睡眠の質を高めるために枕を変更し、家族にも協力を頼む、のように学習以前の問題に正面から取り組む必要があります。
逆にいうと、それらが解消すれば学習にも集中できるようになります。
心配ごとなど問題そのものを解決するのが難しいときは、それを学習に持ちこまない方法を考えてみましょう。
ストレスマネジメントを学んだり、学習しか考えられない環境に身を置いたり。
学ぶことがいま抱えている問題を解決する一助になるかもしれない、と紐づけてみるのもいいでしょう。
ただし本当に大変なときは、無理せず自分を大切にしてくださいね。
目標と学習法が定まっているならやることは決まっています。
それでもうまくいかないときは、環境と自分自身の学習態勢をチェックしてみましょう。
まとめ
学習の効率を上げたい、要領よく学びたい、そんなときは。
学習をスタートする以前に、まずは目標の設定、次に自分向きの学習法を選ぶこと。
テキストを開くのはそれからです。
環境と自分の学習態勢が整っているかも常にチェックしましょう。
なお、目標によっては自宅学習ではなく外で人に習うのが近道だと気がつく場合もあるでしょう。
自分に合った効率よい方法ならなんでもいいんです。
それを見つけられるのは自分だけ。
事前にやるべきことがしっかりできていれば、学習の最中に「あれ?自分は洋書が読みたいのにどうしてヒアリングにかまけているんだろう?」というような迷走を回避して、目標に向かって直進できます。
教養のために広い範囲をじっくりやっていきたいという場合は別にして、期間を区切って一定の成果をあげたいときはこの方法が基本です。
とくに、わたしのように要領がよくないタイプや、どうにも苦手なこと、難易度が高いものにとりくむ場合は。
今日は「学習以前の問題」をクリアしてからスタートしよう、というお話でした。
急がば回れ、ですね。
みなさんもぜひ、学習前にちょっと考える時間をとってみてください。
きっと効率が上がりますよ。